今週の日経アジアンレビューの報道によると、欧州最大手の特殊半導体製造装置メーカーであり、極端紫外線(EUV)リソグラフィーツールの唯一の設計者であるASMLは、中国への材料の出荷を控えており、中国が国内で半導体を製造できる能力に疑問が生じている。
日経の情報筋の1人は、「ASMLは、最先端の半導体製造装置を中国に出荷することで米国政府を怒らせたくないため、今のところEUV装置の納入を控えることを決めた」と語ったと報じられている。
このニュースは、米国が中国のハイテク供給大手企業を精査しているさなかに発表された。その一社は台湾のTSMCで、ASMLの顧客であり、Huaweiにも半導体を供給している。米国政府は最近、Huaweiに対し中国政府へのスパイ活動の疑いで様々な非難を浴びせているが、Huaweiはこれまでのところ全ての疑惑を否定している。
ASML自身も、企業による知的財産権の窃盗問題に遭遇しました。中国政府が犯人だとの疑惑もありましたが、ASMLは中国政府を擁護しました。
2018年のASMLの売上高は、米国が16%、中国が19%でした。中国企業による売上高の割合も急速に増加しており、ASMLにとって中国市場の重要性はますます高まっています。日経新聞の関係者によると、ASMLは「中国とその中国顧客に不快感を与えたくない」ため、約束した製品をできるだけ早く納入しようと努力する可能性があるとのことです。
ASMLは、自社のEUV装置がワッセナー・アレンジメントの対象であると述べています。ワッセナー・アレンジメントは、軍事目的に転用可能な先端技術の拡散を阻止することを目的とした多国間輸出管理プロトコルです。オランダをはじめとする欧州当局はASMLにこのアレンジメントの適用除外を認めていますが、その許可は現在失効しています。
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上海に本社を置くSMICは日経新聞に対し、この取引はまだ「書類作成段階」であると述べたが、それ以上のコメントは控えた。SMICの昨年の利益はわずか1億3400万ドルで、苦戦していると報じられている。日経新聞によると、ASMLのEUV装置だけでも約1億5000万ユーロかかるため、中国政府の支援がなければSMICはEUV装置を購入することは不可能だろう。