87
ソフトバンク、データセンター企業アンペアのArm CPUを65億ドルの現金で買収へ
アンペア
(画像提供:Ampere)

ソフトバンクグループは本日、ArmベースのデータセンターCPUを開発するAmpere Computingを現金65億ドルで買収すると発表しました。Ampereは、1,400人の従業員を擁する完全子会社として、現在の社名で事業を継続し、プロセッサの提供を継続します。Arm Holdingsも傘下に持つソフトバンクは、計画中のStargateデータセンターを含む自社のデータセンターにAmpere CPUを採用する予定です。

Ampereは、カーライル・グループとオラクルの支援を受けて2018年にシリコンバレーで設立され、クラウドサービスプロバイダー(CSP)のニーズに合わせたCPUの開発を目指しています。同社はこれを「クラウドネイティブ」プロセッサと呼んでいます。その後、同社は2つの製品ファミリーをリリースしました。TSMCのN7ノードで製造された最大128コアのAmpere Altraと、TSMCのN5製造技術で製造された最大192コアのAmpereOneです。これらはCSPで限定的に普及しました。

アンペア

(画像提供:Ampere)

しかし、Ampereの声明にあるように、同社は「最近発表されたStargateのようなAIインフラ投資を含め、ソフトバンクの将来の成長市場において重要な役割を果たすことが期待されています」。ソフトバンクのAI戦略には、大規模なクラウドデータセンターの構築が含まれています。AI向けの次世代クラウドデータセンターは、数万から数十万のノードを収容すると予想されており、巨大な市場を形成するでしょう。Ampereがオーナーに数百万個のCPUを供給すれば、同社の事業は現状よりもさらに拡大するでしょう。また、他のStargateパートナーであるOpenAIやOracleが、AmpereのCPUを自社のデータセンターのデフォルトとして採用すれば、Ampereにとって画期的な出来事となる可能性があります。しかし、これは実現しない可能性もあります。

「人工知能(AI)の未来には、画期的なコンピューティング能力が必要です」とソフトバンクグループ株式会社の会長兼CEOである孫正義氏は述べた。「アンペア社の半導体と高性能コンピューティングに関する専門知識は、このビジョンの実現を加速させ、米国におけるAIイノベーションへの当社の取り組みをさらに深めるでしょう。」

契約の一環として、ソフトバンクはアンペアを現金65億ドルで買収します。アンペアの主要投資家であるカーライルとオラクルは、同社株を売却します。この取引は、規制当局の承認を含む標準的な完了要件を満たすことを条件としており、2025年後半に完了する予定です。

「AIの発展という共通のビジョンのもと、ソフトバンクグループに加わり、そのポートフォリオに名を連ねる一流テクノロジー企業と提携できることを大変嬉しく思います」と、Ampereの創業者兼CEOであるレニー・J・ジェームズ氏は述べています。「これは私たちのチームにとって素晴らしい成果であり、高性能ArmプロセッサとAIに向けたAmpereOneロードマップを推進していくことを楽しみにしています。」

Tom's Hardware の最高のニュースと詳細なレビューをあなたの受信箱に直接お届けします。

アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。