デスクトップクライアントPC向けの最新のグラフィックカードのほとんどは4つのディスプレイ出力を備え、最大4台のモニターを駆動できます。一方、一部のプロ仕様のボードは6つの出力を備え、6台のディスプレイを同時に操作できます。Intelの次期Arc AlchemistディスクリートGPUは、謎めいた5つ目のディスプレイ出力をサポートします。
「DG2は5番目のディスプレイ出力をサポートしています。ハードウェアはこれを『TC1』と呼んでいますが、これはType-C出力ではありません」と、Intelのエンジニアであるマット・ローパー氏はLinuxドライバパッチ(Phoronixが発見)のメモに記しています。「これは、いくつかの小さな違いを除けば、過去のプラットフォームのTC1と同様の動作をします。」
グラフィックカードで5つのディスプレイ出力をサポートするのは少し奇妙です。3台以上のモニターで構成されるマルチディスプレイ構成を使用するユーザーの多くは、偶数台のモニターを使用する傾向があるからです。そのため、AMDのRadeon Pro W6800には6つのmDP 1.4出力が搭載されているのに対し、NvidiaやMatroxグラフィックスの様々なプロフェッショナル向けボードには4つ、あるいは8つの出力が搭載されています。
これまでに公開されたDG2のプロトタイプはすべて4出力だったので、5つ目となる出力はプロ仕様または特殊用途のボード向けなのかもしれません。一方で、DG2は77.37Gbpsという驚異的な帯域幅と新機能を備えたUHBR 20搭載のDisplayPort 2.0をサポートしていることも忘れてはなりません。もしかしたら(あくまで推測ですが)、Intelはこれ以上のDP 2.0トランスミッターを設計に組み込むことができず、ディスプレイパイプラインの数をやや特殊な数に抑えることにしたのかもしれません。あるいは(これも推測ですが)、DP 2.0アクティブ/テザーケーブル1本で複数のディスプレイを駆動するのに十分な帯域幅を確保できるため、ビデオウォールなどのアプリケーションでマルチモニター構成を実現するには、5つ以上の出力とパイプラインは必要ないかもしれません。
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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。