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World of Tanks デモ版で、あらゆるグラフィックカードでレイトレーシングを使用可能

レイトレーシングが昨今話題になっているので、誰もがその恩恵を受けたいと思うのも当然です。Wargamingは今週、『World of Tanks』でレイトレーシングのデモを実施すると発表しました。そして何より嬉しいのは、Nvidia RTXグラフィックカードがなくても使えることです。DirectX 11をサポートする最新のグラフィックカードであれば、ノートパソコンの内蔵GPUでも使用可能です。『World of Tanks enCore RT』のデモ版は現在公開中です。

(画像提供:Wargaming)

もちろん、落とし穴があるはずです。そして実際、あります。レイトレーシングの実装は、DXR 対応の DirectX 12 ゲームほど広範囲ではありません。World of Tanksのレイトレーシングは、影の品質を向上させることを目的としたソフトウェアベースの実装に限定されており、それ以上のライティング効果は処理しません。この手法は、オブジェクト上の可視点と中心光源(太陽)を結ぶ直線をトレースし、そこに遮るものがないか確認することで機能します。遮るものがあれば影が表示され、遮るものがなければ影は表示されません。 

(画像提供:Wargaming)

これはIntel製のEmbreeライブラリを使用することで実現され、Wargamingはこの形式のレイトレーシングを実装するためにEmbreeライブラリと協力しました。Embreeライブラリはオープンソースであり、グローバルイルミネーションやよりリアルな反射など、より高度なレイトレーシング手法が含まれています。しかし、これらの機能を実現するには、影のみの場合よりもはるかに多くのレイを、より複雑なパスに沿ってトレースする必要があります。つまり、ゲームをスライドショーのようにしない限り、現実的に実装することはできません。また、パフォーマンスへの影響を最小限に抑えるため、影は稼働中の戦車からのみトレースされます。

これは期待と現実の乖離のように思えます。レイトレーシングといえば、影の表現の改善以上のものを期待しますが、それでもWargamingを責めることはできません。彼らの影の表現改善の実装は、技術的には確かにレイトレーシングによって行われており、見た目がかなり良くなるはずです。

詳細については、以下の開発者日記ビデオをご覧ください。

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Niels BroekhuijsenはTom's Hardware USの寄稿ライターです。ケース、水冷システム、PCの組み立てレビューを担当しています。