AMDがPicassoシリーズのAPUを終了したと思っているなら、それは間違いです。Ryzen 5 3550Hの15Wバージョンと思われるAMD Ryzen 5 3550Uが、Geekbenchに2ページにわたって初登場しました。
Picassoファミリーは2つの系統で構成されています。Uシリーズはエネルギー効率を重視しており、TDP(熱設計電力)は15Wです。ゲーミングセグメントをターゲットとするHシリーズは、35Wという比較的低い値に抑えられており、より余裕のある設計となっています。AMDは1月にRyzen 3000シリーズAPUを発売しましたが、同社がさらに新しいモデルを開発中であることが判明しました。その1つがRyzen 5 3550Uです。
仕様
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行0 - セル0 | コア/スレッド | ベースクロック | ブーストクロック | L3キャッシュ | TDP | グラフィック | コンピューティングユニット | シェーダー | グラフィックス周波数 |
AMD ライゼン 5 3550H | 4/8 | 2.1GHz | 3.7GHz | 4MB | 35W | ラデオン ヴェガ 8 | 8 | 512 | 1,200MHz |
AMD Ryzen 5 3550U* | 4/8 | 2.1GHz | 3.69GHz | 4MB | 15W | ラデオン ヴェガ 9 | 9 | 576 | 1,300MHz |
※表の仕様は未確認です
コンピューティング面では、Ryzen 5 3550Uは特に問題となる点はありません。Geekbenchによると、8スレッド、4MBのL3キャッシュを備えたクアッドコアチップです。Geekbench 4では、Ryzen 5 3550Uのベースクロックは2.1GHz、最大ブーストクロックは3.69GHzと検出されています。ソフトウェアは、このプロセッサがRadeon Vega 8グラフィックスを搭載していると認識しているようです。しかし、問題は細部に宿ります。
AMDは、APUに搭載される統合グラフィックソリューションに非常に分かりやすい命名法を採用しています。VegaはGPUマイクロアーキテクチャであり、その後ろに続く数字は搭載されているコンピューティングユニット(CU)の数を表します。つまり、Vega 3はCUが3基、Vega 6はCUが6基、Vega 8はCUが8基、というように、CUの数は順に増えていきます。Geekbench 4では、Ryzen 5 3550UはCUが9基と記載されているため、Ryzen 5 3550UにはVega 8ではなくVega 9が搭載されているはずです。各Vega CUには最大64個のシェーダーが搭載されるため、Vega 9には576個のシェーダーが搭載されているはずです。Geekbench 4によると、Vega 9は1,300MHzで動作します。
両者を比較すると、Vega 9 は Vega 8 よりも最大 10.85% 高いパフォーマンスを発揮するようです。Vega 9 には CU が 1 つ追加されており、Vega 8 よりも 100 MHz 高速に動作することを考えると、パフォーマンスの違いは予想どおりです。
AMDのAPUに詳しい方なら、このチップメーカーの既存のVega構成にはVega 3、Vega 6、Vega 8、Vega 10、そしてVega 11があることをご存知でしょう。そこで大きな疑問となるのは、なぜAMDがVega 9をこれほど遅い時期に突然導入することにしたのかということです。その答えはIntel Ice Lakeにあるかもしれません。10nmチップの登場により、AMDはIntelに勝つための方法を模索しているのかもしれません。
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Zhiye Liuは、Tom's Hardwareのニュース編集者、メモリレビュアー、そしてSSDテスターです。ハードウェア全般を愛していますが、特にCPU、GPU、そしてRAMには強いこだわりを持っています。