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Backblazeの2022年のSSD年間故障率:1%未満

クラウドストレージを提供するBackblazeは、ストレージサーバーのブートドライブとして使用されている2,906台のSSDの統計情報を公開しました。念のため言っておきますが、これらのSSDはブートドライブだけではありません。ログファイルや一時ファイルの読み書きも行っており、ログファイルは時にかなりの消耗を引き起こすことがあります。Backblazeは2018年からブートドライブにSSDを使用しており、ハードドライブの統計情報と同様に、主にコンシューマー向けの大量のドライブの経年劣化に関する詳細な情報を得ることができる数少ない方法の一つとなっています。

統計データを見る前に、いくつか注意点があります。まず、Backblazeが使用しているSSDのほとんどは、最新のM.2 NVMeモデルではありません。また、一般的に容量がかなり小さく、ほとんどのドライブは250GBのストレージしか提供しておらず、500GBは約3分の1、2TB以上の大容量ドライブはわずか3つです。しかし、同じモデルのハードウェアを多く使用することで、ハードウェア管理がシンプルになります。いずれにせよ、ベストSSDリストに載るような人気ドライブの統計データを期待しているのであれば、期待外れになるでしょう。

過去 1 年間の統計は次のとおりです。

2022年のBackblaze SSD統計

(画像提供:Backblaze)

2020年から2022年までのBackblaze SSD統計

(画像提供:Backblaze)

過去3年間のさらに長期的な視点で見ると、年間故障率は1%を維持しており、この期間のドライブ故障数は合計46件にとどまっています。Backblazeはまた、MX500が2021年に比較的短期間で2件の故障が発生した後、2022年には大幅に改善したと指摘しています。Seagateの旧型ZA250CM10002も昨年故障率が2%に低下しましたが、新型ZA250CM10003は稼働日数が長くなり故障件数も減少したため、これらの傾向が今後も続くかどうかは注目に値します。

Backblazeが確認したもう一つのデータは、SMARTによって報告されるSSDの温度です(Dell BOSSはこれをサポートしていないようです)。グラフはゼロベースではないため、一見するとかなり変動しているように見えますが、実際にはドライブの平均温度は34.4℃から35.4℃までで、わずか1℃の差でした。

2022 年の Backblaze SSD の温度

(画像提供:Backblaze)

もちろんこれは平均値であり、外れ値も存在します。20℃のドライブが4回、61℃のドライブが1回観測されましたが、ほとんどは25~42℃の範囲でした。上記のベルカーブが何らかの形で故障したドライブとも相関関係にあると良いのですが、年間の故障件数はわずか25件だったため、そうはいきませんでした。Backblazeは、このグラフを「ナンセンス」と評しました。

結局のところ、Backblaze が使用している SSD の数は、ハードドライブの数に比べるとごくわずかです。例えば、Backblaze の最新の HDD レポートを見ると、過去 1 年間で 290,000 台以上のドライブが使用されていたことがわかります。これは、SSD には顧客データが保存されず、OS、一時ファイル、ログのみに保存されるためです。それでも、約 3,000 台のドライブからのデータ量は、IT 担当者以外の私たちが 1 年間でアクセスする可能性のあるデータ量をはるかに上回っています。ちなみに、HDD の AFR は 1.37% でした。

これはSSDがHDDよりも信頼性が高いことを証明しているのでしょうか?必ずしもそうではありません。適切なバックアップ戦略を持つことは依然として重要です。願わくば、今後数年のうちに、Backblazeのデータに最新のM.2 SSDが採用されるようになることを期待しています。例えば、PCIe 3.0とPCIe 4.0のドライブがそれぞれ100台程度ずつ搭載されれば素晴らしいのですが、もちろん、ストレージサーバーがこれらのインターフェースをサポートしていることが前提です。しかし、時間が経てば、ほぼ確実にそうなるでしょう。

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ジャレッド・ウォルトンは、Tom's Hardwareのシニアエディターで、GPU全般を専門としています。2004年からテクノロジージャーナリストとして活躍し、AnandTech、Maximum PC、PC Gamerなどで執筆活動を行っています。初代S3 Virgeの「3Dデセラレータ」から最新のGPUまで、ジャレッドは最新のグラフィックストレンドを常に把握しており、ゲームパフォーマンスに関する質問は彼にお任せください。