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AMD、RX 7000シリーズの価値提案に疑問を投げかける

AMDはブログ記事を公開し、「Radeonグラフィックスへのアップグレードにこれほど絶好のタイミングはない」と読者に伝えています。この記事には少々問題があり、RDNA 3アーキテクチャをベースにした新型RX 7000シリーズは、既存のRX 6000シリーズと比べて明らかに価値が劣ると示されています。AMDのチャートによると、現在販売されているすべてのGPUの中で、新型RX 7000シリーズと新型RX 6000シリーズのFPS/ドル値は最も低いことが示されています。

AMD Radeon RX 7000およびRX 6000

(画像提供:AMD)

AMDの最新ブログ記事に掲載された別のグラフは、RX 7000フラッグシップモデルが4Kゲーミングにおいて確固たる地位を築いていることを示唆しています。このシンプルなグラフは、これらの新カードが人気の4Kゲームにおいて最大180fps(RX 7900 XT)または220fps(RX 7900 XTX)のフレームレートを提供できることを示しています。しかしながら、執筆時点では144Hzを超えるリフレッシュレートを備えた高性能4Kモニターは多くなく、AMDのデータによると平均4Kゲーミングフレームレートが148fpsのRX 6800 XTのメーカー希望小売価格579ドルを超える価格帯に投資する魅力は限定的です。

AMDがこれらの概要チャートのために選んだゲームには、『コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2』、『カリスト・プロトコル』、『グランド・セフト・オートV』、『Apex Legends』、『Valorant』、『オーバーウォッチ2』が含まれています。これらのゲームはそれほど要求の厳しいタイトルではありませんが、そのほとんどは広く人気があり、中には高速フレームレートの恩恵を受ける競技タイトルやeスポーツタイトルも含まれています。より広範なテストと幅広いゲームタイトルについては、Radeon RX 7900 XTXおよびXTのレビューをご覧ください。

Tom's Hardwareの常連の方はご存知かと思いますが、私たちは定期的にGPUベンチマークと階層構造2023を更新し、様々なゲームや一般的なモニター解像度におけるパフォーマンスチャートと比較を掲載しています。比較検討の際は、常に最新の「2023年版 ゲーミング向けベストグラフィックカード」特集もぜひご覧ください。

AMDは、既存のRadeonラインナップの価値提案を大々的に宣伝するだけでなく、この機会に自社のドライバーがこれまで以上に優れ、新機能が満載であることを強調しました。特に興味深いのは、ドライバーが6,000通りの異なるシステム構成でパフォーマンスと安定性をテストされていること、そして過去1年間で継続的なドライバーチューニングにより、一部のRX 6000グラフィックスカードでDX11パフォーマンスが最大30%向上したことです(もちろん、これは特定の状況でのみのことです)。

主流および低価格の RX 7000 シリーズ グラフィック カードの登場はまだ遠いのでしょうか?

AMDのツイートとブログ投稿では、Radeon RX 7000シリーズとRX 6000シリーズのハイブリッドラインナップが披露されており、あたかも2023年まで固定ラインナップであるかのように提示されています。ある意味、この2023年のRadeonの展望は、RX 7800、RX 7700、RX 7600といった待望のカード(XTX/XTサフィックスの有無に関わらず)が緊急に必要とされていないことを示唆しています。また、デスクトップPC向けのRDNA 3アーキテクチャグラフィックカードのさらなる登場には、長い時間がかかるかもしれないという疑問も生じます。 

そしてRadeon RX 7000とRX 6000

(画像提供:AMD)

主流のRX 7000シリーズグラフィックカードに関するリークはまだ少ないですが、遅くとも夏まで、おそらくComputex 2023の間に発表されることを心から願っています。もっと冷笑的に言えば、AMDはミッドレンジおよび低価格の7000シリーズの後継品を発売する前に、既存の6000シリーズ部品の在庫を処分しようとしている、ということになります。

皮肉かどうかはさておき、2023年にはもっと良いグラフィックカードが本当に必要になるので、そうであってほしいものです。私たちのランキングは、AMDの前世代RDNA 2カードの価値提案と、最新世代GPUの価値の低さを裏付けています。RX 7000シリーズは確かに悪く見えますが、NvidiaのRTX 40シリーズAda Lovelaceカードも同様に高価格です。これらの基準を満たす新しいミッドレンジおよびバジェット製品(ミッドレンジで250~400ドル、バジェットで200ドル未満)は、高騰するコストからの解放をもたらしてくれるでしょう。

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マーク・タイソンはトムズ・ハードウェアのニュース編集者です。ビジネスや半導体設計から、理性の限界に迫る製品まで、PCテクノロジーのあらゆる分野を網羅的にカバーすることに情熱を注いでいます。