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Nvidia、今夏に日本最速AIスーパーコンピュータを開発

つばめ3.0

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東京工業大学は、日本最速のAIスーパーコンピュータ「Tsubame3.0」を今夏に稼働させる計画を発表した。「Tsubame3.0」と呼ばれるこのスーパーコンピュータは、NVIDIAのGPUアクセラレータを搭載し、前身の「Tsubame2.5」の2倍の性能を実現する。

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新型Tsubame3.0は、NVIDIAの最新のPascalベースGPU「Tesla P100」を搭載します。同社によると、このGPUは従来品の3倍の効率を誇ります。新型GPUは最大12.2ペタフロップスの倍精度演算性能を発揮し、Tsubame3.0は世界最速スーパーコンピュータのトップ10にランクインすることになります。

このスーパーコンピュータは、Nvidiaが「AI計算」と呼ぶ性能を最大47ペタフロップスで実現します。これは実際には半精度計算を意味し、AI計算における精度の好条件の一つです(Nvidiaは推論計算のみを必要とするシステムを主にターゲットとした、8ビット精度のGPUも開発しています)。

エヌビディアはまた、TSUBAME2.5と連携することで、2つのスーパーコンピュータは最大64.3ペタフロップスの性能を発揮でき、統合システムは日本最高性能のAIスーパーコンピュータになると述べた。

Tsubame3.0は、東京工業大学における教育・技術研究に活用されることが想定されています。また、民間企業や他大学の研究者にも利用可能となります。

このシステムを構築している東京工業大学のコンピューターサイエンス教授、松岡聡氏は次のように述べた。「数千ものディープラーニングや推論アプリケーションを含むNVIDIAの幅広いAIエコシステムにより、東京工業大学はTSUBAME3.0の訓練をすぐに開始し、これまで解決できなかった世界のいくつかの問題をより迅速に解決できるようになります。」

スーパーコンピュータにおけるAIチップの採用

高性能コンピューティング(HPC)市場は、新興の機械学習/AI市場とは伝統的に大きく異なっています。スーパーコンピュータは従来、気象予測、気候モデリング、宇宙および核シミュレーションなどのアプリケーションに使用されてきました。

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しかし、AIに最適化されたチップの台頭により、スーパーコンピューターが同様のチップを採用し始めており、2つの市場が融合し始めています。AIチップ市場が進化するにつれて、チップはより効率的、高性能、そしてよりコスト効率の高いものになっています。これだけでも、スーパーコンピューターの顧客にとって魅力的なものとなっています。

より多くの科学者が機械学習を研究に活用し始めているため、両市場のアプリケーションも類似し始めています。多くのシミュレーションは画像認識計算を多用するため、AIに最適化されたチップは特定のスーパーコンピュータ顧客にとって有用です。AI市場が急速に成長を続けるにつれ、スーパーコンピュータを利用する機関が次世代スーパーコンピュータに機械学習チップを採用するケースが今後も増えていくでしょう。