Phisonは、SSD市場を揺るがすほどの力を持つ、いわば「弱者」の役割を好んで演じています。S10の完成には多少の時間がかかりましたが、完成後は4コアプロセッサとフル8チャネル設計を採用することで、競合他社の低価格4チャネルコントローラに食らいつきました。企業がPCIe経由で動作する低価格のデュアルコアコントローラでエントリーレベルのNVMe SSD市場を席巻しようとした時、Phisonは高性能設計で再び勝利を収めました。ほぼ価格対比で競合するにもかかわらず、より高度な処理能力を備えた高度なコントローラによって、優れたパフォーマンスを発揮しました。
答えが出るまで、そう長く待つ必要はありません。Patriot社によると、新型Scorch NVMe SSDはまもなく生産に入り、第3四半期初頭に出荷される予定です。早ければ7月にも製品が登場する可能性があります。最終的な価格は未定で、現時点で発表されている数字はあくまで推測に過ぎません。Scorchは、セルあたり3ビット(TLC)の東芝製64層BiCS FLASHを採用します。東芝は最近になってSSDグレードのNANDの生産量を増やし始めました。生産ラインがフル稼働すれば、BiCS FLASHはNANDの供給制約を緩和し、不足から脱却できるでしょう。
Patriotは、シーケンシャルリード性能は最大1,200MBps、シーケンシャルライト性能は最大800MBpsと予測しています。競合他社のコントローラはより高いシーケンシャルライト性能を実現しますが、次世代エントリーレベルのNVMe SSDはすべてTLC NANDを採用しているため、その性能はバースト的な動作に留まります。ピーク時の性能向上はバースト動作のみで、ホストへのPCIe 3.0 x4接続によって実現されます。Phisonは、より多くのプロセッサコアを搭載した製品を開発することで、より高い持続的かつ混合ワークロード性能を実現しました。Phisonは、マーケティング戦略では敗北するかもしれませんが、最終的には勝利を収める可能性を秘めています。
この賭けがどう報われるのか、そして価格に敏感な買い物客にとってそれが何を意味するのかを見るのが楽しみだ。