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シーゲイト、2023年半ばに30TB超のHAMRハードドライブを出荷予定

Seagateは、熱アシスト磁気記録(HAMR)技術と30TBを超える容量を搭載した第2世代ハードディスクドライブ(HDD)プラットフォームについて長らく発表してきましたが、 具体的な 発売時期についてはこれまで明らかにしていませんでした。しかし今週、同社はついに、30TB以上のHDDを1年後の2023年半ばに発売する予定であることを明らかにしました。

「HAMR技術をベースにした30TB以上のドライブファミリーの発売に向けて、開発は順調に進んでいます」と、シーゲイトのCEOであるデビッド・モズレー氏は、投資家や金融アナリストとの決算説明会で述べた(SeekingAlpha経由)。「来年の今頃には、これらのHAMRベースの製品のお客様への出荷を開始できる見込みです。」

Seagateの第2世代HAMRプラットフォームは、同社にとって大きな意味を持ちます。この技術により、同社のハードドライブの容量を50TB以上に拡張することが可能になるからです。同社が公開しているロードマップでは、「30TB以上のドライブ」の提供開始時期が2023年と漠然と記載されています。しかし、2023年12月20日の正式出荷は「2023年提供開始」とも考えられ、Seagateの計画におけるこの部分にはある程度の懐疑的な見方をしています。しかしながら、Seagateの社長は、これらの部品の具体的な提供開始時期を発表しました。 

Seagateは、第1世代HAMRプラットフォームを搭載したハードディスクドライブを、一部の顧客やLyveストレージシステムに搭載する形で、これまで長らく出荷してきましたが、これまで一般向けには提供されていませんでした。Seagateは、第2世代HAMR HDDが昨年、広く入手可能になると発表していました。

シーゲイト

(画像提供:Seagate)

ただし、小さな落とし穴があります。顧客への出荷が、2023年に30TB以上のHDDが大量提供されることを意味するわけではありません。代わりに、同社はハイパースケールデータセンターの運営会社の中から選ばれた顧客にHAMRドライブを供給し、その後、他のすべての顧客向けの発売を延期する可能性があります。

しかし、全く予想外のことではありません。HAMRの実現には、SeagateはHDDプラットフォーム全体の変更を必要とします。これには、メディア、磁気層、書き込みヘッドと読み取りヘッド、アクチュエーター、コントローラー、その他多数のハードドライブ部品が含まれます。これらはSeagateにとって全く新しい部品となるため、30TBのHAMRドライブの製造は非常に困難で、価格も高くなると予想されます。

シングルアクチュエータを搭載した30TB以上のHDDのもう一つの特徴は、TBあたりのIOPSパフォーマンスです。容量が増加するとTBあたりのIOPSパフォーマンスは低下し、システムの応答性、ひいてはサービス品質に影響を与えます。大規模なハイパースケーラーにとって、この影響を軽減することはそれほど問題ではありません。しかし、従来の企業データセンターやエンタープライズグレードのNASを運用している企業にとっては、この問題が問題となる可能性があり、同等の容量のデュアルアクチュエータHDDの登場を待つ方が良いかもしれません。

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シングルアクチュエータ 30TB 以上の HDD のコスト/価格と 1TB あたりの IOPS パフォーマンスを考慮すると、これらの超大容量 HDD が当初は一部の顧客のみに提供されるとしても不思議ではありません。

アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。