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Tachyum、エミュレートされたFPGAベースのProdigyプロセッサ上でLinuxを起動

サンノゼに拠点を置くスタートアップ企業Tachyumは、HPCおよびAI計算向けの「ユニバーサル」プロセッサの提供を約束しており、本日、開発の進捗状況とプロセッサの現状を公開しました。同社のプレスリリースによると、このプロセッサは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)上で動作するエミュレートされた設計上でLinuxカーネルの起動に成功したとのことです。

Tachyumは、このProdigyと呼ばれるプロセッサによって、ハイパースケール、HPC、AIといった用途に対応する汎用ソリューションの構築を目指しています。現状では、こうしたワークロードには専用のアクセラレータが必要であり、その解決策はCPUと専用アクセラレータを組み合わせて使用​​することです。TachymはProdigyプロセッサによって、まさにこの状況を変えようとしています。 

同社の本日の発表によると、ハードウェア上でLinuxの起動が初めて実現したとのことですが、これはあくまでもエミュレーションに過ぎません。TachyumはFPGA上でLinuxを起動しており、これは実際のシリコン実装ではなく、むしろそれに近いエミュレーションと言えるでしょう。 

Tachyum Prodigy FPGAシミュレーション

(画像提供:Tachyum)

FPGAは通常、実際のシリコンが届く前にハードウェアをエミュレートするために使用されます。これにより、企業は実際のシリコン上で動作するソフトウェアを準備し、予備的なパフォーマンスをテストすることができます。デジタルロジックを扱うすべての企業は、実際のシリコンをテープアウトする前に、FPGAで設計をテストしています。

Tachyum は、「完全に機能する FPGA エミュレーション システム上で Linux ブートを実行し、短いユーザー モード プログラムを実行し、システムをシャットダウンする」ことに成功しました。

Prodigyプロセッサの次の段階はデバッグと検証です。エンジニアたちは数兆ものテストケースを実行し、プロセッサに潜むバグを見つけようとしています。これらの問題が解決されるにつれて、設計は製造段階に近づいていきます。Tachyumは、Prodigyの設計を最初の顧客に提供したいと考えているため、4ソケットのリファレンスデザイン・マザーボードは2022年第1四半期に提供開始予定です。

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