
キヤノンは昨年、従来のDUVやEUV装置を使用せずにチップを製造できる初のナノインプリント・リソグラフィー(NIL)装置を発表し、大きな話題を呼びました。しかし、この技術に精通していない半導体メーカーは、この装置だけでなくNIL法全般にも懐疑的でした。しかし、この状況は変わりつつあるのでしょうか?日経新聞によると、キヤノンは今週、ナノインプリント・リソグラフィー装置「FPA-1200NZ2C」をテキサス電子工学研究所(TIE)に研究目的で納入しました。
これは大したニュースではないように思えるかもしれませんが、キヤノンとナノインプリント・リソグラフィーにとって大きな飛躍となる可能性があります。テキサス電子研究所(TIE)は、テキサス大学ナノマニュファクチャリング・システムセンターから「高度なヘテロジニアス・インテグレーションへの産業界の関心の高まりに応えて」設立されました。TIEは、インテル、NXP、サムスンなどの大手半導体企業からなるコンソーシアムの支援を受けています。また、国防高等研究計画局(DARPA)の支援も受けており、国防高等研究計画局(DARPA)は最近、TIEとテキサス大学に、軍事および民生用途向けのマルチチップレット3Dプロセッサの開発費として14億ドルの助成金を交付しました。
TIEでは、キヤノンのナノインプリント・リソグラフィ装置「FPA-1200NZ2C」が、コンソーシアムに加盟する半導体メーカーの研究開発に使用される予定です。現在、Intel、NXP、Samsungがチップ製造にDUVおよびEUV(NXPを除く)リソグラフィを使用しているため、これは非常に重要な意味を持ちます。NILの能力を研究することで、これらの企業が最終的に自社のファブにこの技術を導入する可能性が示唆されます。キヤノンはこれらの試験に大きな期待を寄せているようです。日経新聞によると、同社は今後3~5年間で年間10~20台の販売を目指しています。
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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。