様々なモバイルデバイス向け組み込みプロセッサおよびCPUメーカーであるArmは本日、新しいCortex-M55プロセッサアーキテクチャとEthos-U55ニューラルプロセッシングユニット(NPU)を発表しました。これらのチップは、従来製品よりもAI処理能力を向上させると言われています。
Cortex-M55を内蔵したEthos-U55 NPUは、ジェスチャー検出や音声認識といったより複雑なタスクを可能にする飛躍的なパフォーマンスを提供します。これら2つのアーキテクチャを組み合わせることで、機械学習の性能は従来製品比で480倍向上し、これは様々なAIタスクにおけるデバイス内推論を可能にするのに必要な飛躍です。Ethos-U55はカスタマイズ可能で、包括的なパッケージであるため、はるかに小型で低消費電力のアプリケーションにも適合します。
「AIをあらゆる場所で活用するには、デバイスメーカーと開発者が数十億、最終的には数兆台ものデバイスにローカルで機械学習を提供する必要があります」と、Armの自動車・IoT事業部門シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるディプティ・ヴァチャニ氏は述べています。「これらのAIプラットフォーム追加により、どんなデバイスでも取り残されることはありません。最小のデバイスでもオンデバイス機械学習が新たな標準となり、生活を一変させる幅広いアプリケーションでAIの潜在能力を安全に解き放つことができるでしょう。」
Cortex MシリーズCPUはArm自身によって製造されていません。Armは設計のライセンスを取得し、パートナー企業が自社のシリコンに組み込んでいます。これにより、より幅広い範囲への展開が可能になり、設計は高度にカスタマイズ可能であるため、デバイスメーカーはシリコン設計をさらに微調整することで、自社製品におけるパフォーマンスを最適化することができます。
Cortex-M55やEthos-U55 NPUなどの開発は、最終的にはより多くの小型AI対応デバイスにつながるでしょう。これらのチップは、様々なIoTデバイスやスマートフォンなどに搭載される予定です。
例えば、顔や声をローカルで認識でき、リモート推論のためにデータをインターネットに送信する必要がないドアベルが考えられます。これは、今日のAI実装における主要な懸念事項の一つにも対処します。推論のためにリモートサーバーにデータを送信する必要がないため、会話が家の中にとどまるという安心感が得られます。
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Niels BroekhuijsenはTom's Hardware USの寄稿ライターです。ケース、水冷システム、PCの組み立てレビューを担当しています。