シュレーディンガーの運命とも言えるだろう。ロイター通信によると、米連邦地方裁判所の判事は木曜日、クアルコムがアップルに対し約10億ドルのリベート支払い義務があるとの判決を下した。しかし、4月に予定されている裁判で敗訴しない限り、クアルコムはリベート支払いに応じる見込みはない。
そもそもクアルコムとアップルの間で契約が結ばれたこと自体が信じ難い。アップルのサプライヤーは、iPhoneにクアルコムの技術を使用するために料金を支払わなければならなかった。アップルが規制当局に苦情を申し立てたり、裁判でクアルコムを攻撃したりしない限り、クアルコムはアップルにその料金を返金するはずだった。
クアルコムは、アップルが他社に対し、同様の契約について規制当局に苦情を申し立てるよう指示したことで、この合意に違反したと主張した。また、韓国公正取引委員会によるクアルコムへの調査において、アップルが「虚偽かつ誤解を招く」発言をしたとも主張した。
同社は、たとえ訴訟に敗訴したとしても、アップルに10億ドルのリベートを支払う予定はない。クアルコムのエグゼクティブバイスプレジデント兼法務顧問のドン・ローゼンバーグ氏はロイター通信への声明で、「アップルは既に、契約に基づく問題の支払いをクアルコムに支払うべきロイヤルティと相殺済みだ」と述べた。
ローゼンバーグ氏は、2017年4月にアップルがロイヤルティの支払いを停止した決定に言及していた。クアルコムはすでに支払いを差し控えた分を財務諸表に計上しているため、ローゼンバーグ氏は実質的に、支払いが滞ったことで失った10億ドルは、今回の訴訟に敗訴した場合に支払う10億ドルとして計上されるべきだと述べた。
それでも、少なくとも今回の件に関しては、今回の判決はAppleを支持するものとなった。両社は今後も世界中の法廷で争い続けるだろう。この紛争に終わりは見えない。
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