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スマートフォンやRaspberry Piでコロナウイルスとの戦いに参加しよう

世界中に推定35億台あるスマートフォンの計算能力が、コロナウイルスの治療法の研究に同時に投入されたらどうなるか想像してみてください。今日、Arm64デバイスでCOVID-19対策研究が可能になったという発表により、少なくとも理論的にはそれが可能になりました。つまり、Raspberry Piデバイスとスマートフォンアプリの両方で、研究者がコロナウイルスの治療法やワクチンを発見するのを支援できるのです。 

Rosetta@Homeプロジェクトは、今やスーパースター級の地位を獲得した有名プロジェクトFolding@Homeとよく似ています。このプログラムでは、研究者が、通常はスーパーコンピュータ級のパワーを必要とする疾患(今回の場合はCOVID-19)の治療法や治療法の研究に用いられる大規模な問題を定義することができます。この分散コンピューティングプログラムは、これらの大規模な問題を小さなチャンクに分割し、ボランティアが各自のコンピュータで処理します。その結果、Folding@Homeプロジェクトは最近、1.5エクサフロップスの性能を達成しました。これは、世界トップクラスのスーパーコンピュータ103台分の処理能力を合わせた値に相当します。 

Raspberry PiでBOINCクライアントを起動して実行する方法については、こちらのビデオチュートリアルをご覧ください。より簡潔な手順を現在作成中です。下記のように、BOINCは本日スマートフォンアプリ(Androidのみ)もアップデートしましたので、最小限の手間でプログラムを起動して実行できました。

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(画像提供:Tom's Hardware)

このプログラムは確かにスマートフォンのパフォーマンスをかなり低下させましたが、コア数など、プログラムが消費するシステムリソースを調整したり、スマートフォンが充電器やWi-Fiに接続されている場合にのみ動作するように設定したりすることができます。これにより、プログラムがパフォーマンスに与える影響を軽減しながら、バックグラウンドでコロナウイルスとスムーズに戦い続けることができます。 

Raspberry Piボードやスマートフォンは、デスクトップPCに搭載されているCPUやGPUほどのパワーは備えていないかもしれませんが、電力効率が非常に高く、数も豊富です。たとえ少額でも、多くの方が貢献すれば、コロナウイルスの治療法開発を急ぐ研究者たちの助けとなるでしょう。 

Rosetta@Homeネットワークが、Folding@Homeの復活で見られたような巨大なパワーを実現できるかどうかは定かではありません。しかし、Raspberry Piが世界中のスーパーコンピューターの一部に搭載され、世界中で約35億台のスマートフォンが使用されていることを考えると、Raspberry Piや誰かの普段使いのスマートフォンで実行される小さなワークロードから、コロナウイルスの治療法が生まれる可能性もあるでしょう。

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ポール・アルコーンはTom's Hardware USの編集長です。CPU、ストレージ、エンタープライズハードウェアに関するニュースやレビューも執筆しています。