最近、AnTuTuベンチマークから新しいプロセッサやデバイスの仕様に関するヒントが次々と出ています。今回明らかになった最新の重要な製品は、Qualcommが近々発売するARMv8ベース(64ビット)のSnapdragon 810 SoCです。
昨年AppleがA7チップを発表した際、QualcommはAppleからARMv8ベースのチップが発表されるとは予想していなかったようだ。Qualcommはハイエンド向けカスタムコアを開発するためにARMのアーキテクチャライセンスを購入しているが、今回はそうしなかった。Appleの発表から1年が経過した現在でも、QualcommがARMv8独自のコアをすぐに発表する可能性は低いようだ。
また、Qualcomm は Krait コアの後継となる独自の ARMv8 をリリースするまでの暫定的なソリューションとして、ローエンド (Snapdragon 410 など) では Cortex A53 を、ハイエンド (Snapdragon 810 など) では Cortex A57 を使用するつもりのようです。
後継機が登場するのは、早くても2015年後半になる可能性が高いでしょう。Qualcommが次世代コアを開発するにあたって、AppleのA7(6ウェイ幅)やNvidiaのDenver(7ウェイ幅)のような大型で幅広のコアではなく、3ウェイ幅しかないARMのCortex A57に近いコアを開発する可能性も考えられます。
もしそうだとしたら、Qualcommは設計図を最初から作り直したに違いありません。通常、新しいコアの設計には少なくとも2年かかるため、Qualcommのカスタムコアが登場するのは2016年以降になるでしょう。それまでは、QualcommはハイエンドCPUにCortex A57を使い続けるでしょうが、NvidiaのDenverやAppleのA8に対抗できるほどの競争力はないでしょう。
20nmプロセス採用のCortex A57は、28nmプロセス採用のCortex A15と比較して約45%の性能向上を実現しています。これは、新プロセスと新しいARMv8命令セットのおかげもあってのことです(下の画像をご覧ください)。しかし、NVIDIAのDenverは、28nmプロセス採用でも約25%(Cortex A15より80%)高速化されるはずです。
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Qualcomm の GPU も、最新の Adreno 330 以降、それほどパフォーマンスが向上したようには見えません。Adreno 420 はパフォーマンスが 40 パーセント向上するだけとされており、これは Nvidia の Kepler GPU に追いつくにはとても足りません。また、この Snapdragon 810 チップに搭載される Adreno 430 は、Adreno 420 よりも 30 パーセントしか高速にならないとされています。
おそらく、ここ数年モバイルチップ市場のトップに君臨してきたことで、Qualcommの対応は遅くなり、競合他社への対応も鈍化したのでしょう。しかし、何かが変わらなければ、ほとんどの消費者もそれに気づくのは時間の問題です。そうなれば、消費者は自社のデバイスにSnapdragonプロセッサを搭載しないよう要求し始めるでしょう。そうなれば、デバイスメーカーは、過去数年間にQualcommと良好な関係を築いてきたにもかかわらず、その要求に耳を傾け、競合他社のチップに切り替えざるを得なくなるでしょう。
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