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キオクシアとサンディスクがBiCS9 3D NANDのサンプル出荷を開始 — 112層BiCS5と最新のCBAおよびToggle 6.0インターフェースを組み合わせたハイブリッド設計により、より高いパフォーマンスとコスト効率を実現
キオクシアのBiCS9 NANDフラッシュ
(画像提供:Kioxia / Computer Base.de)

キオクシアとサンディスクは、第9世代BiCS FLASHのサンプル出荷を開始しました。これは、従来のアーキテクチャと最新の機能強化を融合し、現行のBiCS8世代と近日発売予定のBiCS10の橋渡しとなるNANDフラッシュテクノロジーです。BiCS10は最先端の332層設計により大容量化が期待されていますが、BiCS9はよりコスト最適化されたアプローチを採用し、AIワークロード向けのエンタープライズSSDや、効率と性能のバランスが重要なミッドティアストレージソリューションをターゲットとしています。

BiCS8や次世代のBiCS10よりも層数が少ないにもかかわらず、BiCS9は大幅なアップグレードを実現しています。書き込み性能は61%向上し、読み出し速度は12%向上、電力効率は従来の512GB TLC設計と比較して、書き込み時に36%、読み出し時に27%向上しています。ビット密度が8%向上したことは、BiCS9がコストを増大させることなく強力なパフォーマンスを実現できる、綿密なエンジニアリングの成果をさらに強調しています。

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キオクシアのBiCS9 NANDフラッシュ
(画像提供:キオクシア)

キオクシアのロードマップでは、BiCS9を移行段階と位置付けており、より複雑で高密度なアーキテクチャであるBiCS10の開発に先立ち、製造技術とパフォーマンスチューニングを洗練させています。この戦略は、AI主導のデータワークロードが、GPUに最小限のレイテンシでデータを供給する、より高速で省電力なストレージソリューションを求めていること、そして特にAIブームに伴う極めて高い野心的なニーズに応えることにおいて、特に重要です。

キオクシアのBiCS9へのアプローチは、容量増加のために積極的に層数を増やすことに注力しているサムスンやマイクロンといった競合他社とは対照的です。競合他社が300層を超える層数を目指す一方で、キオクシアは市場投入までの時間を短縮し、コスト効率を向上させるハイブリッドアーキテクチャに注力しています。NANDフラッシュを発明したキオクシアは、サンディスクのような消費者向け業界のベテラン企業と連携することで、多様な研究開発活動を通して高い競争力を維持しています。

そのため、キオクシアとサンディスクの長年にわたるパートナーシップは、日本の製造業の専門知識とサンディスクのストレージ市場での豊富な実績を融合させ、BiCSシリーズの開発に大きく貢献しました。2006年の合弁事業開始以来、両社は複数世代の3D NAND技術を共同開発し、スケーリングとパフォーマンスの限界を押し広げてきました。BiCS9は、キオクシアが新たな業界標準を確立するための取り組みと並行して、両社の新たな主力製品として位置づけられています。

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ハッサム・ナシルは、長年の技術編集者兼ライターとしての経験を持つ、熱狂的なハードウェア愛好家です。CPUの詳細な比較やハードウェア全般のニュースを専門としています。仕事以外の時間は、常に進化を続けるカスタム水冷式ゲーミングマシンのためにチューブを曲げたり、趣味で最新のCPUやGPUのベンチマークテストを行ったりしています。