過去1年半、半導体の供給逼迫は、ほぼすべての電子機器のコストと価格に影響を与えてきました。そして今、新たな問題が浮上しています。それは、実際の製品を製造する工場で働く熟練労働者の不足です。メーカーは賃金を引き上げざるを得ないため、遅かれ早かれ、その追加コストを顧客に転嫁せざるを得なくなり、ひょっとするとエンドユーザーにも転嫁せざるを得なくなるかもしれません。
3,000 社を超える OEM、EMS、PCB メーカー、サプライヤーが加盟する世界的な業界団体 IPC は、最近、エレクトロニクス業界の関係者が現在直面している主要な問題を特定するために世界的な調査を実施しました。
チップと材料の不足とコスト上昇は、IPC会員企業の90%に影響を与えています。供給逼迫により、回答企業の88%が遅延に見舞われ、31%は8週間以上の生産遅延に直面しました。世界的な在庫はさらに減少している一方で、受注残は増加しています。その結果、企業の58%は、不足は2022年後半まで続き、早くても来年末には解消すると予想しています。
チップの不足と材料費に加え、労働市場は依然として逼迫しており、人件費は電子機器サプライチェーンにとって2番目に大きな問題となっています。

製造業者の80%が熟練した人材の確保と維持に課題を抱えていると回答し、半数は極めて困難な状況に直面しています。68%の企業で人件費が増加したと回答した一方で、有能な労働者の確保が容易になったと回答した企業はわずか19%でした。IPC会員の65%は、今後6ヶ月間も状況は変わらず、人件費はさらに上昇すると予測しています。
IPCによると、原材料費、人件費、稼働率、そして供給不足の上昇により、電子機器サプライチェーン企業の収益性は低下すると予想されています。業界団体でありロビー活動を行うこの団体は、加盟企業がエンドユーザーにコスト増を転嫁するとは明言していませんが、グラフィックカード、プロセッサ、その他の部品、そしてPCの価格上昇は、加盟企業がエンドユーザーにコスト増を転嫁する意思があることを明確に示しています。
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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。