
AMDの最先端データセンターAPU「Instinct MI300A」がGeekbench 6.3.0でテストされました。BenchLeaks on Xによって発見されたMI300A APU2台は、3回のテストでCore i5-14600Kよりもパフォーマンスが劣ることが判明しました。
APUには「AMD Proto Sample: SH5-MI300A-A0」という表記があり、プロトタイプサンプルである可能性を示唆しています。提出資料によると、MI300Aは「AMD Corporation Eviden2p」と呼ばれるデュアルソケット設計のプラットフォームでテストされました。つまり、MI300Aは1基あたり24個のZen 4実行コアを搭載しており、システムは48コア96スレッドとなります。MI300Aは、データセンターAPUの定格CPUピーククロック速度である3.7GHzで動作しました。
Geekbench 6のスコアに詳しい方なら、MI300Aのような規模と性能を持つチップとしては、3つのベンチマーク結果がどれもいかにひどいものかすぐにお分かりいただけるでしょう。ちなみに、IntelのミッドレンジデスクトップCPUであるCore i5-14600Kは、同じテストでMI300Aを上回りました。14600KはGeekbench 6でシングルコアスコア2,806ポイント、マルチコアスコア15,977ポイントを記録し、MI300Aをシングルコアで47%、マルチコアで9%も上回りました。
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CPU: | シングルコア | マルチコア |
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MI300A — 初走行 | 1,798 | 13,888 |
MI300A — 2回目の走行 | 1,938 | 14,694 |
MI300A — 3回目の走行 | 1,992 | 15,085 |
コアi5-14600K | 2,806 | 15,977 |
ライゼン スレッドリッパー 7960X | 3,050(平均) | 25,000(平均) |
同じく24基のZen 4コアを搭載したRyzen Threadripper 7960Xは、MI300Aよりも高速であるように見えました。Geekbench 6では、Ryzen Threadripper 7960XはMI300Aを大きく上回り、シングルスレッドの平均スコアは3,050ポイント、マルチコアの平均スコアは25,000ポイント台を記録しました(Geekbenchブラウザでのテスト結果に基づく)。Ryzen Threadripper 7960XはMI300Aよりもベースクロック(4.2GHz)とブーストクロック(5.3GHz)が高速であるため、この結果はある意味予想通りでした。
この悲惨な結果から、MI300Aが本来の性能を発揮できていなかったことは明らかです。チップがGeekbench 6で正しくサポートされていなかったか、冷却システムがMI300Aの性能を制限していた可能性も否定できません。MI300AのピークTDPは760Wであることにご留意ください。
MI300AはAMDのデータセンター向けフラッグシップAPUです。このチップの主な競合製品は、現在世界最速のデータセンターチップの一つであるNVIDIAのGrace Hopper Superchipです。Geekbench 6はデスクトップ、ノートパソコン、スマートフォンを対象としています。データセンターチップをGeekbench 6でベンチマークするのは、特殊なワークロードが存在するため無意味です。とはいえ、特殊なCPUが一般的なベンチマークでどのようなパフォーマンスを発揮するかを見るのは、時に面白いものです。
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Aaron Klotz 氏は Tom's Hardware の寄稿ライターであり、CPU やグラフィック カードなどのコンピューター ハードウェアに関するニュースを扱っています。