90
フェイスブックのセキュリティ責任者、偽情報対策を巡る論争で辞任へ

ニューヨーク・タイムズの報道によると、Facebookの最高セキュリティ責任者(CSO)であるアレックス・スタモス氏が、プラットフォーム上で増加する国家主導の偽情報への対応をめぐる論争により、8月に同社を退社する予定だという。スタモス氏はFacebookにおける自身の役割が変更されたことのみを認め、8月に退社するかどうかについては明言を避けた。

Facebookと偽情報

ニューヨーク・タイムズ紙は、スタモス氏とフェイスブック幹部の間の論争は、国家が同プラットフォームをどのように悪用したかについて同社がどの程度の情報を共有すべきか、また2018年の米国中間選挙前にどのような改革を行うべきかをめぐって起きたと報じた。

ニューヨーク・タイムズ紙の7人の情報筋(Facebookの現職および元社員)によると、スタモス氏はロシアによるプラットフォームへの干渉についてさらなる情報開示を主張していたが、同僚の抵抗に遭ったという。昨年12月以降、スタモス氏の日常業務は他の担当者に再割り当てされた。

情報筋によると、スタモス氏は退社を希望していたものの、会社にとって不利な状況となるため、8月まで留任するよう説得されたという。12月以降、かつて120人いた彼のチームはFacebookの他の部門に異動となり、現在、彼の指揮下にあるのはわずか3人となっている。

NYTの報道によると、Facebook社内ではポリシーチームとセキュリティチームの間に強い緊張関係が存在していたという。ポリシーチームはFacebookのビジネスを最優先に考え、セキュリティチームは国家によるサイト利用状況に関する開示強化を求めていた。

ケンブリッジ・アナリティカ

NYTによると、ケンブリッジ・アナリティカの件が報じられると、Facebookの広報チームはスタモス氏に同社を擁護するツイートをするよう促したが、そのツイートは広報チームの事前承認を得た上でのものだった。あるツイートでスタモス氏は、ケンブリッジ・アナリティカのデータ漏洩は、この件を最初に報じたオブザーバー紙が当初「データ侵害」と呼んでいたように、データ漏洩ではないと述べた。

スタモス氏はその後そのツイートを削除したが、ツイートが間違っていたからではなく、それがデータ漏洩ではない理由をうまく説明できなかったから削除しただけだと述べた。

Tom's Hardware の最高のニュースと詳細なレビューをあなたの受信箱に直接お届けします。

Facebookは、国家プロパガンダ、データ漏洩、その他会社のイメージを悪化させる可能性のある問題に関する、世間へのメッセージ発信をコントロールしようとしているようだ。しかし、経営陣が統制を強めようとするほど、社内の実態に関する情報を現従業員や元従業員が次々と明らかにしているようだ。これは、同社に関する予想外の情報が耳にするのはこれが最後ではないことを示唆していると言えるだろう。

ルシアン・アルマスは、Tom's Hardware USの寄稿ライターです。ソフトウェア関連のニュースやプライバシーとセキュリティに関する問題を取り上げています。