
AMDのComputex 2024公式発表に続き、新型Ryzen AIプロセッサに関するさらなるパフォーマンスデータがリークされました。Benchleaksが発見したRyzen AI 9 HX 370 12コアCPUは、Geekbench 6でベンチマークされ、非常に印象的な数値を記録しました。
このCPUは、64GBのメモリを搭載したAsus ProArt P16プロシューマー向けノートパソコンでテストされました。重要なのは、このチップはノートパソコンのサイレント電源プランを使用してベンチマークされたことです。このプランでは、システムパフォーマンスとファン速度を抑え、負荷時でも静音動作を維持します。なお、Geekbench 6ではこのCPUが「AMD Ryzen AI 9 HX 170」として100シリーズに分類されています。しかし、これは不正確であり、AMDが最終段階でブランド名を300シリーズに変更したことによるものです。
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CPU | シングルコア | マルチコア |
Ryzen AI 9 HX 170 12コア | 2,544 | 14,158 |
Ryzen 9 8940HS 8コア | 2,380 | 11,775 |
Ryzen 9 7945HX3D 16コア | 2,820 | 16,460 |
Ryzen AI 9プロセッサは、電力消費を抑えた状態で動作し、シングルコアベンチマークで2,544ポイント、マルチコアテストで14,158ポイントを獲得しました。前世代のRyzen 9 8940HSと比較すると、このAI搭載チップはシングルコアテストで6.5%、マルチコアテストで17%高速化しています。Ryzen 9 8940HSは、シングルコアテストとマルチコアテストでそれぞれ2,380ポイントと11,775ポイントを記録しました。
Ryzen AI 9 HX 370のパフォーマンスは非常に優れており、AMDのDragon Range 16コアモバイルプロセッサのパフォーマンスに迫るほどです。3D-VCacheテクノロジーを搭載したRyzen 9 7945HX3Dのベンチマーク結果を見ると、Ryzen AI 9 CPUはGeekbenchのシングルコアテストでわずか11%、マルチコアテストで16.2%遅いだけです。7945HX3DのGeekbenchスコアはそれぞれ2,820と16,460でした。
これらの数値は、総合的に見て非常に印象的です。効率を最適化した電力消費状態でもドラゴンレンジレベルに近いパフォーマンスが見られるという事実は、Ryzen AI 9 HX 370が最大発熱量と最大消費電力まで引き上げられた際に、どれほど強力になるのかを想像させます。この新しいチップは、AMDの最新Ryzen AI 300シリーズプロセッサの一部であり、最先端のZen 5 CPUアーキテクチャ、RDNA 3.5統合グラフィックス、XDNA2ニューラルエンジンを搭載しています。
Ryzen AI 9 HX 370は、高性能なZen 5コア4基とコンパクトなZen 5cコア8基を搭載した、合計12コアのハイブリッドプロセッサです。TDPは28Wですが、設定可能なTDPは15Wから54Wの範囲で調整可能です。そのため、各ノートパソコンメーカーが選択するTDP設定によって、パフォーマンスは大きく異なります。
Geekbench 6は数あるテストのうちの一つに過ぎないため、この結果を鵜呑みにするのは危険です。しかし、Geekbench 6の結果がCPUの実世界におけるパフォーマンスを示すものであるとすれば、AMDの新しいZen 5チップは、低消費電力環境下でも非常に高速であると言えるでしょう。
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Aaron Klotz 氏は Tom's Hardware の寄稿ライターであり、CPU やグラフィック カードなどのコンピューター ハードウェアに関するニュースを扱っています。