YouTuberのHigh Yield氏と写真家のFritzchens Fritz氏が、オリジナルのSteam Deckに搭載されていた7nm Van Gogh APUの詳細な分析を公開しました。ダイショットとコンポーネントの注釈付きです。この分析により、Van Gogh APUのレイアウトと各コンポーネントの重要性が明らかになり、Steam Deckでは一見何の役にも立たないと思われていたハードウェアの謎が解明されました。
Valve社がAerithというコードネームで呼ぶVan Goghは、AMDが設計し、TSMCの7nmプロセスで製造されたAPUです。4基のZen 2コアと8基のRDNA 2コンピュートユニット(CU)を搭載しており、ノートPC向けの主流Ryzen APUと比較すると、比較的低性能です。Van Goghはセミカスタム設計としてどの企業にも提供されておらず、そのためSteamデッキでほぼ独占的に使用されています。
メモリコントローラやその他のGPU関連コンポーネントと合わせると、これらの部品はVan Goghの全体サイズの半分しか占めません。USBポートやディスプレイ機能用のI/Oコンポーネントは残りの半分に収まっていますが、ダイショットを見ると、まだ多くの未計算領域が残っていることがわかります。
High Yieldによると、Van Gogh APUの13%は、当初は特定できなかったコンポーネントに割り当てられているものの、Magic Leap 2 ARヘッドセットに搭載されているコンピュータービジョンプロセッシングエンジン(CVPE)ではないかと考えられています。Magic Leap 2は、Van Goghと同様にZen 2コア4基とRDNA 2 CU8基を搭載したAMDのMero APUを搭載することが確認されています。当初はVan Goghの派生型と思われていましたが、High YieldはVan GoghとMeroはSteam DeckとMagic Leap 2の両方に搭載されている同じチップであると主張しています。
この主張を裏付ける重要な証拠の一つは、Steam Deck OLEDに使用されている6nmプロセスSephiroth APUが、7nmプロセスAerithチップよりもはるかに小型であることです。TSMCの6nmプロセスは7nmプロセスよりもロジックトランジスタの密度が18%高いものの、Sephirothが20%小型であることは、新しいAPUをスリム化するために何かが削減されたことを示唆しています。
High Yieldはさらに、オリジナルのSteam Decksは現在使用されていないCVPEハードウェアを利用できる可能性があると推測しています。ただし、これはAMDがレーザーを使ってCVPEを手動で無効化するのか、それともファームウェアでオフにするのかによって異なります。また、CVPEはMagic Leapのハードウェアとソフトウェアでのみ使用されているため、モッダーがCVPEをどの程度活用できるかは不明です。
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