マイクロソフトは、量子コンピュータでのプログラミングに関心のある開発者向けの取り組みとして 9 月に発表された Quantum Development Kit の無料プレビュー版をリリースしました。
このキットは、Microsoftの開発ツールスイートであるVisual Studioに統合されています。また、一般的なノートパソコンを用いて約30論理量子ビットの量子コンピューティング能力をシミュレートできるローカル量子シミュレータも含まれており、開発者は独自のシステムを用いて量子コードをデバッグすることができます。
より高度な量子課題に対応するため、Azureベースのシミュレーターもリリースされました。40論理量子ビット以上の計算能力をシミュレートできます。しかし、Microsoftの取り組みはそれだけではありません。量子システムを理解するために必要な背景情報を提供するため、一連のドキュメント、ライブラリ、サンプルプログラムも公開しています。
マイクロソフトは、量子コンピュータによって科学者が気候変動の危険な影響などの大きな問題に対処できるようになると強調しています。この種のブレークスルーは量子コンピュータの能力のおかげで可能になりました。その一例は、現在使用されている最も高度な古典的コンピュータでも宇宙の寿命と同じくらいの時間がかかる計算を、数時間、あるいは数分で実行することです。
人工知能(AI)も量子コンピュータが大きく貢献できる分野の一つです。量子ソフトウェアとシミュレータの開発を主導してきたマイクロソフトの主任研究員、クリスタ・スヴォア氏は、量子コンピューティングシミュレータによって量子アルゴリズムが「データ内のより繊細なパターン」を迅速に発見できるようになると述べ、それが音声、視覚、言語認識といった分野における大きな進歩につながる可能性があるとしています。
マイクロソフトは最終的に、量子コンピューティングのハードウェアとそのパワーを活用するソフトウェアの両方を備えた量子コンピューティング システムを構築する予定です。
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量子コンピューティング分野に参入したいと考えているのはマイクロソフトだけではありません。つい最近、ハードウェア大手の IBM が50 量子ビットのプロセッサを発表しました。