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IBMの量子コンピュータが新たな最高性能に到達

ドイツ、ハノーバー - 2018年6月13日:IBMは、世界最大の情報技術見本市「CeBIT 2018」の自社パビリオンで量子コンピュータの模型を展示した。写真:flowgraph/Shutterstock

ドイツ、ハノーバー - 2018年6月13日:IBMは、世界最大の情報技術見本市「CeBIT 2018」の自社パビリオンで量子コンピュータの模型を展示した。(画像提供:flowgraph/Shutterstock)

IBMは本日、2019年アメリカ物理学会3月会議において、同社の量子コンピュータが「これまでで最高の量子ボリューム」を達成したことを明らかにした。

IBMは量子性能を毎年倍増

IBMは、量子コンピュータの量子ボリュームを測定しており、2017年以降、コンピュータのパフォーマンスが毎年倍増していることを確認していると述べた。同社は、この種のパフォーマンス向上率は、量子コンピュータが近い将来、従来のコンピュータに勝つために必要になると主張した。

IBMは最近、20量子ビットと16の量子ボリュームを備えたIBM System Q One量子コンピュータを発表しました。これは同社の前世代の量子コンピュータの2倍です。Intelによると、量子ボリュームは量子ビット数、接続性、コヒーレンス時間など、様々な要因によって決まります。また、ゲートエラーや測定エラー、デバイス間のクロストーク、回路ソフトウェアコンパイラの効率も考慮されています。

IBMはまた、最新の量子コンピュータが、平均2量子ビットゲートエラーが2%未満という、業界で最も低いエラー率を達成したと発表した。最高のゲートエラー率は1%未満だ。これは、GoogleやIonQの量子コンピュータの低いエラー率にわずかに及ばないものの、競争力があるように思える。

実用的な量子コンピュータのユースケース

インテルの量子コンピュータの性能は毎年倍増し続けており、より複雑な問題や化学シミュレーションの解決が現実的になるはずです。潜在的なユースケースとしては、電気自動車のバッテリーセルの化学反応の精密シミュレーションや、デリバティブ価格設定の2乗倍の高速化などが挙げられます。これらは現在IBM Q Networkのパートナーによって研究されています。

IBMは、量子ボリュームが毎年倍増することで、2020年代には古典コンピュータに対する「量子優位性」がもたらされると考えています。言い換えれば、量子コンピュータは近い将来、特定の実世界のアプリケーションにおいて、世界最高性能の古典コンピュータさえも凌駕できることを示すことができるようになるはずです。

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