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史上初のランサムウェアは35年前に「エイズ情報」を共有するフロッピーディスクを装って拡散された
5.25インチフロッピーディスク
(画像クレジット:Shutterstock)

35年前、1989年12月から1990年1月にかけて、世界初のランサムウェアの事例をきっかけに、当時最大規模のサイバー犯罪捜査が開始されました。この最初のランサムウェアのペイロードは、「AIDS Information — Introductory Diskette 2.0」[h/t Heise.de]というタイトルの5.25インチフロッピーディスクに隠されていました。この先駆的なランサムウェアは、アメリカの生物学者ジョセフ・ルイス・アンドリュー・ポップ・ジュニア博士によって開発され、約2万部が雑誌『PC Business World』の購読者、様々なメーリングリスト、そしてエイズに関する会議中の世界保健機関(WHO)代表者にも配布されました。

登場する年や名前から推測できるように、この攻撃の標的の選択は非常に巧妙で、その伝達方法は、通常のコンピュータウイルスに関する知識が 最低レベルだった時代に、恐ろしい新しい生物学的ウイルスに対する人々の既存の恐怖心を悪用したもので、被害者から金銭を巻き上げることを目的としたまったく新しい形態のマルウェアなどというものではなかった。

さて、これらの出来事から遠い未来、この事件には少々の懸念材料がある。これは、精神状態を制御できないとされる何者かによって実行された、非常に複雑で標的を絞った攻撃だったからだ。攻撃を拡散させるコストだけでも、約1万英ポンド(現在の価値で約31,794.86ポンド、約38,600米ドル)と推定されている。さらに、「PC Cyborg」とそのアカウントをパナマに登録し、ロンドンで家を借りる費用も発生した。しかし、身代金要求額は、被害者のわずか1%が支払ったとしても、かなりの額の見返りが得られることを意味していた。

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クリストファー・ハーパーは、2015年からPCハードウェアとゲームを専門とするフリーランスのテクニカルライターとして活躍しています。それ以前は、高校時代に様々なB2Bクライアントのゴーストライターを務めていました。仕事以外では、友人やライバルには、様々なeスポーツ(特に格闘ゲームとアリーナシューティングゲーム)の現役プレイヤーとして、またジミ・ヘンドリックスからキラー・マイク、そして『ソニックアドベンチャー2』のサウンドトラックまで、幅広い音楽の愛好家として知られています。