ADLinkは、Pocket AIポータブルGPUと呼ばれる独自のグラフィックソリューションを開発しました。このGPUは、GeForce RTX 3050を手のひらサイズのモバイルデバイスに再パッケージ化したものです。Thunderbolt 3接続を利用することで、対応するノートパソコンやデスクトップデバイスでさらなるグラフィックパフォーマンスを実現します。
搭載されているGPUはエンタープライズクラスのRTX A500 GPUですが、コアスペックはノートPC向けGPUのRTX 3050とほぼ同じです。NVIDIAのGA107 GPUダイを搭載し、2,048基のCUDAコア、64基のTensor DCore、16基のRTコア、4GBのGDDR6メモリ、64ビット幅のインターフェース、25WのTGPを備えています。当然ながら、この構成のRTX A500の最大性能はわずか6.54TFLOPSです。
このGPUは現在の基準からすると決して高速ではありませんが、このポータブルGPUは、NVIDIAの最新GeForce RTX製品に搭載されているほとんどの機能に加え、プロフェッショナル向けGPU専用の追加機能も提供します。ゲーマーやストリーマーにとって、このポケットGPUをポートフォリオに加えることで、RTX Broadcastなどの音声キャンセル/動画拡張機能や、RTX A500のNVENCエンコーダーによる高品質な動画ストリーミングが可能になります。
プロフェッショナルユーザーは、このGPUをNvidiaのCUDAテクノロジーを活用したタスクの高速化や、NvidiaのTensorコアとの統合によるAIアクセラレーションアプリケーションにも活用できます。ADLinkは、Pocket RTX A500 GPUを持ち、Yolov4 AI物体検出を実行している人物が路上を歩いている例を示しました。
もちろん、このポケットGPUは、非常に低性能なデバイスで緊急時にゲームプレイに使用することもできます。ただし、TDPがわずか25Wなので、このGPUに優れたゲームパフォーマンスは期待できません。ただし、少なくともDLSSテクノロジーを搭載しているため、この問題はある程度解消されています。
Pocket AIのサイズは106mm x 72mm x 25mm、重量はわずか250グラムです。このグラフィックデバイスを動作させるには、マシンにThunderbolt 3.0ポートと、USB Power Delivery 3.0+に対応したUSB Type-C電源(スマートフォンの充電器など)が必要です。価格は未定ですが、2023年4月に予約注文受付開始、2023年6月に出荷開始予定です。
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