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ロシアのバイカル・エレクトロニクス、AI用ASICでNVIDIAに対抗へ
バイカルエレクトロニクス
(画像提供:バイカル・エレクトロニクス)

ロシアのプロセッサおよびシステムオンチップ(SoC)開発企業であるバイカル・エレクトロニクスは、国内の人工知能(AI)アプリケーションのニーズに対応するため、AIプロセッサの開発準備を進めている。ロシアのCPU開発企業MCSTの元従業員の推定によると、この事業は3年間の期間と20億ルーブル(2,125万ドル)の費用がかかる可能性があるという。

「人工知能(AI)向け特殊チップのラインナップを開発するために、新たな部門が設立されました。このチップには、現時点で存在する最良のアーキテクチャを採用する予定です」と、バイカル社のCEO、アンドレイ・エヴドキモフ氏はCNewsとのインタビューで述べた。「チームの重要な任務は、新しいプロセッサ向けのソフトウェア・エコシステムを構築することです。」

この新部門は、人工知能(AI)アプリケーション向けの特定用途向け集積回路(ASIC)の製造に特化します。同社の幹部は、このASICが学習用か推論用か、あるいはNVIDIAのハイエンドGPUのように両方のワークロードを実行できるように最適化されるのかについては言及しませんでした。実際、プロジェクトのタイムライン、資金面のコミットメント、チップ開発の詳細な内容といった具体的な側面は機密扱いとなっています。

AIの学習と推論に使用されるハードウェアに関しては、NVIDIAが市場をリードし、AIハードウェアソリューションの特定のセグメントを事実上独占しています。一方、A100やH100といったNVIDIAのハイエンド製品は、米国の輸出規制により中国とロシアへの輸出が禁止されています。 

「人工知能(AI)向け特殊チップの開発をリードしているのはNVIDIAで、ハードウェアソリューションの特定の分野では事実上独占企業と言えるでしょう」と、バイカル社のAI ASIC主任開発者であるマキシム・マスロフ氏は述べた。「NVIDIA製品のロシアへの輸出は正式に禁止されており、中国への先進的なソリューションの輸出にも制限があります。」

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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。