Tor プロジェクトは、使いやすさを向上させる新機能を搭載したブラウザのバージョン 8.5 と、Android 向けの最初の安定バージョンを発表しました。
Torブラウザ8.5デスクトップの改善
Firefox 延長サポートリリース (ESR) v60.7 をベースにした Tor ブラウザの新しいデスクトップ版では、新しい Firefox Photon UI と再設計されたロゴが導入されています。また、セキュリティスライダーの改良もユーザビリティ向上に役立ち、Tor ブラウザのセキュリティレベルを「標準」から「最も安全」まで、より直感的に切り替えられるようになります。
その他の改善点としては、macOSでIntelハイパースレッディング(HT)を無効にするものを含む、一連のセキュリティパッチがあります。ご存知の通り、GoogleとAppleはどちらも、Intel MDSの脆弱性に対する緩和策を効果的にするにはHTも無効にする必要があると明言しています。Intel自身もこれを推奨していますが、これはセキュリティを真に重視する「一部の顧客」のみを対象としています。
Tor のブラウザの場合、HT を無効にすることで最大 40% のパフォーマンス低下が発生するとしても、ユーザーのセキュリティを何よりも優先することが理にかなっています。
Android向け初の安定したTorブラウザ
Torブラウザの安定版が初めてAndroidにも登場しました。これまでAndroidではTorは他のアプリやブラウザ経由でしか利用できませんでしたが、今後はTorプロジェクトの公式Torブラウザを利用できるようになります。
Torブラウザの開発グループは、ブラウジングのモバイル化がますます進んでおり、多くのTorブラウザユーザーがモバイルデバイスでもブラウザを利用できる必要があると考えています。同グループによると、ユーザーはデスクトップ版と同じ保護機能を利用できるようになるとのことです。これには、プロキシバイパスの防止、サイト間トラッキングをブロックするファーストパーティ分離、その他のフィンガープリンティング対策が含まれます。
Appleはサードパーティ製ブラウザに対し、自社のWebkitレンダリングエンジンとJavaScriptエンジン以外の使用を制限し続けているため、Torブラウザは当面iOSプラットフォームから削除される見込みです。つまり、iOSプラットフォーム向けにTorブラウザをSafari上で再開発する必要があるということです。たとえTorプロジェクトにその意思があったとしても、そのような大規模な改修と、大きく異なる2つのバージョンのTorを維持するためのリソースが不足しています。
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