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SK hynix GDDR6-AiM、AIを最大16倍高速化

SK hynixは、PIM(Processing In Memory)と名付けた革新的な技術を公表しました。同社によるPIMの最初の応用技術はGDDR6-AiM(Accelerator in Memory)と呼ばれ、今月末にサンフランシスコで開催される世界で最も権威のある半導体会議ISSCC 2022での発表とデモンストレーションに向けて準備を進めています。SK hynixの予備テストによると、GDDR6-AiMはAI処理を最大16倍高速化し、消費電力を80%削減できるとのことです。

ボトルネックはコンピューティングの世界における大きな問題であり、その解決策としてインメモリコンピューティングと呼ばれる技術が注目を集めています。この統合プロセッサ/メモリアーキテクチャを採用したシステムは、個別のプロセッサ(CPUまたはGPU)とRAMコンポーネント間のデータのやり取りを最小限に抑えることで、これまで以上に高速にデータを処理できるだけでなく、消費電力も削減できます。

潜在的なメリットはパフォーマンスだけではありません。SK hynixは、既存のGDDR5モジュール(1.35V)よりも低い1.25Vで動作するGDDR6-AiMを開発したと発表しました。この改良と、メモリとCPUまたはGPU間のデータ移動の削減により、最大80%の消費電力削減が可能になるとSK hynixは述べています。

SKハイニックス GDDR6-AiM 2

(画像提供:SK hynix)

上記のニュースを読んで、SK hynixのPIM技術がPC、ノートパソコン、タブレット、スマートフォンといったコンシューマー向けデバイスに採用されるかどうか、当然ながら疑問に思うはずです。この技術が当初ターゲットとしていた高性能コンピューティング(HPC)業界セグメントでその価値を証明すれば、いずれコンシューマー向けデバイスにも採用される可能性は十分にあります。

もちろん、インメモリコンピューティング技術に取り組んでいるのはSKハイニックスだけではありません。地元のライバル企業であるサムスンも、1ヶ月前に研究者らがMRAMをベースにしたインメモリコンピューティングデバイスを発表し、大きな話題となりました。MRAMの採用は、不揮発性という特性と、量産化が実現すれば大規模化による経済効果の可能性など、いくつかの興味深い技術的特性をもたらします。

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