
中国の科学者グループが「機械設計の限界に挑戦:AIによるCPU設計の自動化」と題した論文(PDF)を発表しました。この論文では、研究者たちが5時間以内で産業規模のRISC-V CPUを新たに設計した研究成果が詳述されています。AIによる自動化は、人間チームが同等のCPU設計を完成させるよりも約1000倍高速だったとされています。しかしながら、AI設計のCPUの性能がi486とほぼ同等であることを嘲笑する声もあるかもしれません。
中国の研究チームの目標は、機械が人間のようにチップを設計できるかどうかという問いに答えることでした。これまでのAIによる設計は、比較的小規模であったり、範囲が限定されていたりしたと研究チームは考えています。そこで、AI設計の限界を検証するため、研究者たちはAIにRISC-V CPUを自動設計させようと考えたのです。
AI が生成した CPU のパフォーマンスに感銘を受けない人もいるかもしれませんが、科学者たちは、自分たちが生成した BSD が「フォン・ノイマン・アーキテクチャをゼロから発見した」ことに非常に誇りを持っているようです。
AIを用いてRISC-Vベースの新しいCPUをゼロから構築することは、学術的な関心事であるだけでなく、新しいCPUをゼロから開発するための潜在的な可能性を秘めています。研究者によると、AIを活用することで、既存の半導体業界における設計・最適化サイクルを大幅に短縮できる可能性があるとのことです。さらに、結論として、研究者たちはこの研究をさらに発展させ、自己進化型マシンの基盤構築に繋げられる可能性についても考察しています。
AIがコンピュータプロセッサ設計の高度化に活用されているという記事は、今回が初めてではありません。3月には、NVIDIAがAIを活用してチップ設計、特にフロアプランニング作業の最適化に取り組んでいることを報じました。また、5月には、Synopsysが自社のDSO.aiソフトウェアが200以上の顧客のチップ設計に利用されていると自慢していることを報じました。
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マーク・タイソンはトムズ・ハードウェアのニュース編集者です。ビジネスや半導体設計から、理性の限界に迫る製品まで、PCテクノロジーのあらゆる分野を網羅的にカバーすることに情熱を注いでいます。