
コーニングは、今後登場する低NA(開口数)および高NAのEUVリソグラフィシステムのますます高まる出力に耐えられるよう設計された、新しい超低膨張(ULE)材料を発表しました。この新しいExtreme ULE材料は、次世代ファブツールで使用される次世代フォトマスクおよびリソグラフィミラーに使用される予定です。
Extreme ULE材料の重要な特徴は、極めて低い熱膨張率であり、フォトマスク用途において優れた安定性を実現します。さらに、優れた平坦性により「フォトマスクのうねり」を最小限に抑え、チップ製造における不要なばらつきを低減します。これらの特性により、先進的なペリクルやフォトレジストの適用が可能になり、歩留まりと性能を大幅に向上させます。
EUV装置では、EUV光を生成するプラズマ光源から大量の熱が発生しますが、その熱は主にフォトマスクから分離された光源チャンバー内に閉じ込められます。光は、熱に弱いリソグラフィミラー群によって運ばれます。フォトマスク自体は、EUV光を反射するように設計された多層反射材料で作られています。これらの層は高い反射率を持っていますが、それでもある程度の吸収が生じ、マスクがわずかに加熱されます。現代の回路は非常に複雑であるため、わずかな変形や不整合でも、歩留まりを低下させる欠陥や性能の変動につながる可能性があります。
「人工知能(AI)の台頭に伴い、統合型チップ製造の需要が高まる中、ガラスのイノベーションはこれまで以上に重要になっています」と、コーニング・アドバンストオプティクスのバイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーであるクロード・エチャハミアン氏は述べています。「Extreme ULE Glassは、より高出力のEUV製造とより高い歩留まりを実現することで、ムーアの法則の継続的な追求におけるコーニングの重要な役割を拡大するでしょう。」
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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。