
Microsoftの新しいAI特化型Azureサーバーは、AMDのMI300XデータセンターGPUを搭載していますが、IntelのXeon Sapphire Rapids CPUと組み合わせられています。AMDの主力製品である第4世代EPYC Genoa CPUは強力ですが、AIコンピューティングGPUの推進において、Sapphire Rapidsにはいくつかの重要な利点があるようです。Sapphire Rapidsを選択しているのはMicrosoftだけではありません。NVIDIAもAMDの現世代EPYCチップよりもSapphire Rapidsを好んでいるようです。
マイクロソフトがAMDのGenoaではなくIntelのSapphire Rapidsを選択した理由はいくつかあると思われますが、IntelがAdvanced Matrix Extensions(AMX)命令をサポートしていることも、MicrosoftがSapphire Rapidsを選択した重要な理由の一つと言えるでしょう。Intelによると、これらの命令はAIおよび機械学習タスクを最大7倍高速化するように設計されているとのことです。
Sapphire Rapids は特に効率的ではなく、マルチスレッド性能は Genoa よりも劣りますが、シングルスレッド性能は一部のワークロードでは非常に優れています。これは AI ワークロードに特化しているわけではなく、一部のコンピューティングタイプにおいて全体的な優位性を示すものです。
NVIDIAのデータセンタークラスのGPUを搭載したサーバーにも、NVIDIA独自のDGX H100システムを含むSapphire Rapidsが採用されていることも注目すべき点です。NVIDIAのCEOであるジェンスン・フアン氏は、Sapphire Rapidsの「優れたシングルスレッド性能」こそが、DGX H100にAMDではなくIntelのCPUを採用した具体的な理由だと述べています。
マイクロソフトはAMDのオープンソースソフトウェアROCmも高く評価しました。AMDは、プロフェッショナル向けおよびサーバー向けグラフィックスで圧倒的なシェアを誇るNVIDIAのCUDAソフトウェアスタックとROCmを同等の水準にまで引き上げることに尽力してきました。マイクロソフトがROCmに信頼を寄せていることは、AMDのハードウェア・ソフトウェア・エコシステムが急速に進化していることの表れと言えるでしょう。
Tom's Hardware の最高のニュースと詳細なレビューをあなたの受信箱に直接お届けします。
マシュー・コナッツァーは、Tom's Hardware USのフリーランスライターです。CPU、GPU、SSD、そしてコンピューター全般に関する記事を執筆しています。