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Armはデータセンターの規模拡大のため、オラクルが支援するAmpere Computingの買収を検討している
ドイツ、ミュンヘンのArmオフィス
(画像提供:Arm)

Armは、データセンター向け高性能プロセッサに特化したスタートアップ企業であるAmpere Computingの買収を検討していると報じられています。ブルームバーグによると、Armは成長を続けるクラウドコンピューティングインフラ市場におけるプレゼンス強化を目指し、完全買収や代替的な協業形態を含む様々な戦略を検討しているとのことです。

Oracleの支援を受けるAmpere Computingは、データセンター向けArmベースチップの設計を専門とし、IntelやAMDの従来のx86プロセッサに代わるエネルギー効率の高いソリューションを提供しています。同社は、クラウドネイティブなワークロードやスケーラブルなサーバー環境向けに最適化されたチップの需要の高まりを捉え、競争の激しい半導体市場においてニッチな市場を確立しています。また、System76が最近リリースした最大128コアのAmpere Altra Max CPUを搭載したThelio Astraなど、PC愛好家の関心を引くようなコンピューターにもAmpereのチップが採用されています。

この買収は、収益源の多様化と、収益性の高いデータセンター市場における足場の拡大を目指すArmの幅広い戦略の一環とみられています。Armはモバイルおよび組み込みチップ分野で優位に立っていますが、データセンター分野は伝統的にx86アーキテクチャが主流でした。AmpereがArmベースのチップに注力することは、既存のx86チップメーカーに挑戦し、サーバー分野における重要なプレーヤーとしての地位を確立するというArmの野心と合致しています。

この買収は戦略的なシナジー効果をもたらす一方で、Armが規制や競争圧力を乗り切る能力に疑問を投げかけています。Armは幅広い顧客に対してチップ設計のライセンサーとして中立的な立場をとっていますが、Ampereの買収は、サーバー市場で競合するArmエコシステム内の他の企業との利益相反を引き起こす可能性があります。

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Kunal KhullarはTom's Hardwareの寄稿ライターです。長年、PCコンポーネントと周辺機器を専門とするテクノロジージャーナリスト兼レビュアーとして活躍しており、PCの組み立てに関するあらゆる質問を歓迎しています。