PCの冷却設計は長年、試行錯誤を重ね、実績のある同じ設計にわずかな改良が加えられる程度で、停滞しているように見えます。そのため、例えば10年前のヒートシンク設計は、新しいものと見分けがつかないかもしれません。しかし、ベルギーの熱工学ソフトウェア企業であるDiabatixは現状を変えたいと考えており、最近、銅の3Dプリントを専門とするメーカーであるAmnovis社と相乗効果のあるパートナーを見つけました。このパートナーシップの初期成果の一部が先日ウェビナーで公開され、その成果は良好です。共同設計・製造された新しいヒートシンクは、「CPU冷却性能が22%向上」するとされています。
最適化された設計は確かに素晴らしいのですが、製造面ではどうでしょうか?特殊な設計でよく使われる少量生産において、3Dプリントが大きな強みとなることは、多くの人がご存知でしょう。熱伝導率に関しては、価格と冷却性能を比較検討した際に、銅が依然として最適な選択肢です。Amnovisはこの強みを認識し、既に銅3Dプリント事業で確固たる地位を築いています。そして今、Diabatix ColdStream設計をポートフォリオに追加しました。
アムノビスの代表的な製品は、独自の銅粉末と特許取得済みの製造方法を駆使し、「複雑な形状の熱伝導・電気伝導部品において、前例のない熱特性、電気特性、機械特性を実現する」ことです。200ミクロンという薄さ、250ミクロンという微細な隙間を持つ銅製品も、アムノビスの特許取得済みプロセスで実現可能です。
Diabatixが設計し、Amnovisが製造した共同3Dプリントカスタムヒートシンクは、現在、ベルギーのルーヴェン大学による独立した性能検証を受けています。試験データは来年春に公開される予定です。このパートナーシップに関するより詳細な技術情報や、ジェネレーティブデザインとリファレンスデザインのヒートシンクのシミュレーション比較をご覧になりたい方は、ウェビナーをご覧いただくか、Diabatixのウェブサイトからホワイトペーパーをダウンロードしてください。
Raspberry Pi の愛好家であれば、Diabatix 社がその技術を最適な Pi ヒートシンクの作成に応用した話も興味深いかもしれません。
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マーク・タイソンはトムズ・ハードウェアのニュース編集者です。ビジネスや半導体設計から、理性の限界に迫る製品まで、PCテクノロジーのあらゆる分野を網羅的にカバーすることに情熱を注いでいます。