
文部科学省は、かつて世界最高性能のHPCマシンであった日本のスーパーコンピュータ「富岳」の後継機を開発する計画を発表した[PDF]。日経新聞の報道によると、文部科学省は理化学研究所と富士通に来年にも開発開始を求めている。
文部科学省の資料によると、この新しいスーパーコンピュータは、AIを科学研究に活用するために、ゼタ級のピーク性能を念頭に置き、前例のない50エクサフロップスのAI性能を実現することを目指しています。ゼタ級とは、1秒間に1000兆回の浮動小数点演算を実行できるシステムを指します。ゼタフロップスはエクサフロップスの1000倍の速度であるため、日本が計画通り2030年までにこのようなシステムを構築できれば、再び世界最速のスーパーコンピュータとなる可能性が高いでしょう。
文部科学省は、「富岳Next」の各計算ノードについて、倍精度演算で数百FP64 TFLOPS、AI向け半精度演算で約50FP16 PFLOPS、AI向け8ビット精度演算で約100 PFLOPSのピーク性能、そしてHBM型メモリを用いたメモリ帯域幅が数百TB/sに達することを目指しています。具体的には、「富岳」の計算ノードのピーク性能は、倍精度演算で3.4 TFLOPS、半精度演算で13.5 TFLOPS、メモリ帯域幅で1.0 TB/sです。
文部科学省は開発初年度に42億円(2,906万ドル)を割り当てる予定で、政府資金の総額は1,100億円(7億6,100万ドル)を超えると予想されている。
文部科学省は富岳次期スーパーコンピュータのアーキテクチャについて具体的な構想は示していませんが、資料では専用アクセラレータを搭載したCPU、またはCPUとGPUの組み合わせを採用することを示唆しています。また、文部科学省は、データサイエンスにおける従来のI/Oワークロードと、AIワークロードの大規模チェックポイント処理および新たなI/O要件の両方に対応できる高度なストレージシステムを搭載することを希望しています。
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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。