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ドイツ内務大臣、自動車やデジタル機器へのバックドア設置を要求

トーマス・デ・マイジ

トーマス・ド・マイジエール

ドイツの新聞「Redaktions Netzwerk Deutschland (RND) 」の最新報道によると、トーマス・デ・マイツィール内務大臣は、ドイツ国内で販売されるドイツ車やその他のデジタル機器に警察がバックドアアクセスできるようにするという提案案を作成したという。内務大臣は来週開催される内務省の会議でこの提案を発表する予定だ。

警察にさらなる監視権限を与える

RNDの報道によると、ドイツの大臣は、情報機関と警察が自動車だけでなく、コンピューター、モバイル機器、キッチン家電、スマートテレビなどのデジタル機器にも「独占的に」アクセスすることを望んでいるという。この「バックドア」アクセスは、実質的に政府がこれらの機器の一部に備わっているセキュリティ保護を回避できるようにするものだ。警察は、セキュリティシステムが「優秀すぎる」ため、一部の車両に傍受装置を設置できないことがあると不満を漏らしている。

マイジエール氏はまた、サイバー犯罪を阻止するためとして、政府が特定の機器を任意にシャットダウンできる「キルスイッチ」を自動車やデジタル機器に搭載することを望んでいる。

デジタルデバイスのセキュリティ侵害

政府がターゲットのデータに簡単にアクセスできるようにするためにデジタル機器のセキュリティを侵害するという話題は、米国と英国の政府が暗号化への攻撃を強化し、独自のバックドアを提案していることから、近年すでにかなり議論されている。

多くのセキュリティ専門家は、こうした計画はデジタル機器のセキュリティを損なうとして反対している。これは、90年代に米国政府が推進した弱い暗号化が今日までブラウザのセキュリティを損なっているのと同じである。

さらに、バックドアや脆弱な暗号化は、人々がこれらのデバイスに抱く信頼を損ない、エドワード・スノーデンによるNSAの監視に関する暴露が明らかになった際にアメリカ企業が数十億ドルの潜在的な売上を失ったのと同様に、世界中で侵害を受けた製品の売上が減少する可能性がある。

コネクテッドカーと自動運転車への信頼を損なう

こうした事態は、自動車(この場合はドイツ車)、特に今後数年で登場するであろう自動運転機能搭載車への信頼を損なうことに比べれば、取るに足らない問題です。自動車メーカーがコネクテッドカーと自動運転車のデジタルセキュリティをそれほど真剣に考えていないだけでも十分悪いのに、今やドイツ内務大臣は、将来的にはすべての自動運転車にセキュリティ上の脆弱性を組み込むべきだと提案しています。

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これらの脆弱性を「排他的アクセス」と呼んでも、バックドアが長期間排他的のままであることはないという事実は変わりません。特に、悪意のある人物がバックドアがそこにあることをすでに知っており、それを見つけるだけでよい場合はなおさらです。

さらに、ドイツがコネクテッドカーやロボットカーへの「独占的アクセス」を獲得すれば、英国、ロシア、米国、オーストラリア、中国、そして他の多くの国々が、データ要求と同様に、自動車メーカーに対し同様の「独占的アクセス」を求める可能性が高くなります。政府や政府職員がそのようなアクセスを獲得すればするほど、誰かがどこかでミスを起こす可能性が高まります。

最後に、ドイツ車(メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲン、オペル、ポルシェなど)にバックドアが搭載され、それが必然的に悪用された場合、これらの自動車ブランドは世界中で即座に評判を落とすことになるでしょう。これらの脆弱性は、自動車窃盗犯だけでなく、道路上で人々の命を危険にさらすためにも利用される可能性があります。ドイツ経済は自動車産業に大きく依存しているため、ドイツ経済にも大きな悪影響が及ぶ可能性があります。

ルシアン・アルマスは、Tom's Hardware USの寄稿ライターです。ソフトウェア関連のニュースやプライバシーとセキュリティに関する問題を取り上げています。