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ピモロニのPi搭載「ピコビジョン」が完成間近
ピモロニのピコビジョン
(画像提供:ピモロニ / フィル・ハワード)

英国に拠点を置くPimoroniは、Raspberry Pi PicoのRP2040を別のブレイクアウトボードに搭載するPico Visionの開発に取り組んでいます。Pimoroniのソフトウェア開発者Phil "Gadgetoid" Howard氏によると、このボードは「大画面でグラフィック処理をするための、RP2040のデュアルCPUとGPUを搭載したHDMIスティック」とのことです。この製品について初めて知ったのは、2023年3月に毎週放送されているThe Pi Cast番組でのことでした。 

@jankmammal さんの写真をまた盗用🤣 デュアル RP2040「CPU」と「GPU」HDMI スティックで…大画面でグラフィック作業。 https://t.co/y50FNYIG5D pic.twitter.com/rAYuBWxCUH 2023年9月11日

Pimoroniの同僚@jankmammalからの画像付きのツイートで、ハワード氏は8枚のPico Visionボードを搭載したパネルを公開しています。各ボードにはRaspberry Pi Pico Wの表面実装基板がはんだ付けされており、ユーザー入力用のボタンも搭載されています。背面には、追加のRP2040 SoCに加え、DV(HDMI)ポート、DAC経由のオーディオ、micro SD、そしてQW/ST(Qwiic / Stemma QT)コネクタが確認できます。 

シルクスクリーンには「8MB + 8MB RAM」と記載されており、これはRP2040に直接搭載されているRAMではないものの、ハワード氏によると「これらはフロントバッファとバックバッファであり、基本的にはチップ間で動的に切り替えられます。『CPU』はフレーム(およびその他の様々な補助データ)をバッファに描画し、『GPU』に転送を要求します。GPUはそのデータをRAMに引き出し、HDMI信号を生成します。」ハワード氏はまた、このRAMはスプライト画像データ用であり、MicroPythonから直接アクセスするものではないことも確認しました。

ピモロニのピコビジョン

(画像提供:ピモロニ / フィル・ハワード)

ストレージはmicro SDカード経由で提供されます。これは、大量のスプライトデータやオーディオ/ビジュアルデータを保存するのに不可欠です。RP2040に一般的に搭載されている2MBのフラッシュメモリでは、すぐに容量オーバーになってしまうほどです。GPIOアクセスは、QW/ST接続と、CPUおよびGPUデバッグピンから分岐された少数のGPIOピンに限定されています。

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ピコビジョン仕様
SoC2 x RP2040 Arm Cortex M0+ デュアルコア(133 MHz)
ラムRP2040あたり264KB、スプライトバッファ用に8+8MB
ストレージ2MB フラッシュ / マイクロ SD
接続性Infineon CYW43439 2.4GHz Wi-Fi(オンボードアンテナ付き)
ポートHDMI、Micro SD(電源とデータ)、オーディオ、QW/ST
GPIOQW/ST、CPU、GPU デバッグ ピン。
行6 - セル0行6 - セル1

Pico VisionはHDMI経由で大画面に映像を出力するように設計されていますが、それだけが目的ではありません。シルクスクリーンには「滑らかなアート作品、データビジュアル、レトロ風ゲームなどをHDMI経由で出力」と記載されており、ハワード氏が作成した一連の動画では、シンプルな8ビットゲームをプレイする様子が紹介されています。 

これと、ハワード氏が手がけたPicoGraphics(RP2040でスプライトや画像を扱うための簡略化された手段)によって、「ベッドルーム・コーダー」シーンが少し復活するかもしれない。(1970年代と80年代には、アメリカとイギリスでベッドルーム・コーダーシーンが盛んに展開され、今では尊敬を集める有名メーカーの名作ゲームが数多く生み出された。)これらのコーダーたちは、Raspberry Pi Picoの何倍もパワー不足の、極めて限られたリソースを使ってゲームを制作していた。Pico Visionは、ベッドルーム・コーディングシーンを再び活気づけるだろうか?

Pico Vision がいくらになるのか、いつ発売されるのかはわかりませんが、詳細について Pimoroni に問い合わせており、レビュー用にボードを入手する予定です。

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レス・パウンダーは、トムズ・ハードウェアのアソシエイトエディターです。クリエイティブテクノロジストとして、7年間にわたり、老若男女を問わず、教育と啓発のためのプロジェクトを手がけてきました。Raspberry Pi Foundationと協力し、教師向けトレーニングプログラム「Picademy」の執筆・提供にも携わっています。