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ASMLは、米国による中国製半導体製造装置へのサービス提供禁止は同社に悪影響を及ぼさないと主張
ASML EUVマシン
(画像提供:ASML)

退任するASMLの最高経営責任者(CEO)ピーター・ウェニンク氏はロイター通信とのインタビューで、米政府が同社に対し、これまで中国顧客に販売していた一部の高性能半導体製造装置のサービス提供を制限したとしても、影響を受けるのは中国の工場のごく一部にとどまるため、こうした制限が2025年から2030年までのASMLの財務見通しに大きな影響を与えることはないと述べた。

中国の半導体メーカーは最先端のウエハ製造装置を自由に購入できないものの、Semiconductor Manufacturing International Corp.(SMIC)は多数の高度な装置を調達・導入し、現在では7nmクラス(ひいては5nmクラス)の製造技術でチップを生産できる。しかし、これらの装置はメンテナンスが必要となる。そのため、米国政府は現在、外国政府に対し、既に導入されている装置へのメンテナンスを自国の半導体製造装置メーカーに中止するよう働きかけている。メンテナンスを怠ると、装置は時間の経過とともに役に立たなくなる。

「米国製の製品は中国への輸出が制限されているため、サービス提供は可能ですが、米国製の製品は対象外です」とヴェニンク氏はロイター通信に語った。「ただし、これは一部のシステムに限られます。しかし、設置は可能です。当社が販売した他の製品であれば、設置とサービス提供が可能です。」

一方、中国は2024年第1四半期においてASMLにとって最大の出荷拠点であり、地域別売上高の49%を占めました。中国に出荷されるリソグラフィーシステムは、ほぼ全てがいわゆる後発ノードで製品を製造することを目的としており、現在はいかなる規制にも該当しません。そのため、ASMLはこれらの装置を今後数年間にわたってサービス提供できるでしょう。

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アントン・シロフはTom's Hardwareの寄稿ライターです。過去数十年にわたり、CPUやGPUからスーパーコンピュータ、最新のプロセス技術や最新の製造ツールからハイテク業界のトレンドまで、あらゆる分野をカバーしてきました。